神奈川県で住宅を購入するときは、国の住宅ローン減税に加えて、県や市町村が独自に設けている補助金や利子補給を使える場合があります。制度によっては数十万円から100万円を超える補助が受けられるため、購入前に知っているかどうかで手元に残るお金が変わります。
一方で、補助金には住宅の性能、世帯の年齢や家族構成、申請の時期といった条件があり、条件を一つ外すと受け取れません。先着順で受付を終える制度もあるため、物件探しやローンの手続きと並行して確認しておくことが大切です。
本記事では、次の内容を整理します。
- ・神奈川県と県内市町村の住宅支援制度の種類
- ・神奈川県・横浜市・川崎市などの具体的な補助額
- ・補助金を受けるための性能・世帯・申請時期の条件
- ・住宅ローンと支援制度を両立させる進め方
- ・支援制度に関するよくある質問
免責事項:本記事で紹介する補助金の金額・条件・受付期間は2026年10月時点で各自治体が公表している内容をもとにしています。制度は年度ごとに見直されるため、申請前に各自治体の窓口や公式サイトで最新の内容をご確認ください。
神奈川の住宅ローン支援制度は国の減税と自治体の補助金の組み合わせ
住宅購入で使える公的な支援は、大きく分けて国の制度と自治体の制度の2つです。国の制度は全国共通で、住宅ローン減税や省エネ住宅の補助事業があります。自治体の制度は、神奈川県や県内の市町村がそれぞれの地域の事情に合わせて設けているものです。
目的ごとに4種類に分かれる県と市町村の補助・利子補給
神奈川県内の自治体の制度は、目的によって次の4種類に分けると整理しやすくなります。子育て世帯の定住を後押しするもの、省エネ住宅を増やすためのもの、今の住まいの断熱性能を上げるためのもの、勤労者のローン利息を一部肩代わりするもの、という分け方です。
子育て世帯や若い世帯が住宅を買うときに、購入費用の一部を現金で補助します。
例:厚木市、相模原市、横須賀市
ZEHの新築や、蓄電池・太陽光発電の設置費用を補助します。
例:神奈川県、川崎市、平塚市
中古住宅などの断熱性能を上げる改修工事の費用を補助します。
例:横浜市
市内で働く人が指定の金融機関から借りた住宅資金の利息を一部補給します。
例:伊勢原市
同じ「補助金」でも、新築だけが対象のもの、中古住宅の購入や改修を対象にしたものがあります。住む予定の市町村の制度を先に調べておくと、物件の候補を絞るときの判断材料になります。
自治体の補助金は住宅ローン減税と併用可、補助額は取得対価から差し引き
住宅ローン減税は、住宅ローンの年末残高の0.7%を、所得税や住民税から差し引く国の制度です。自治体の補助金を受け取っても、住宅ローン減税は使えます。
ただし、国税庁は、国や地方公共団体から補助金等の交付を受ける場合は、その額を住宅の取得対価から差し引いて計算するよう定めています。たとえば3,000万円の住宅で100万円の補助金を受けた場合、控除の計算に使う取得対価は2,900万円です。借入額が大きい場合は、補助金の分だけ控除の対象になる金額が小さくなることがあるため、資金計画に入れておくと安心です。
国の省エネ住宅の補助事業は、2026年度は「みらいエコ住宅2026事業」として、子育て世帯などが長期優良住宅やZEH水準の住宅を新築する場合などを支援しています。国の補助事業と自治体の補助金を重ねて受けられるかは、事業ごとの要件で確認が要ります。2024年度の子育てエコホーム支援事業では、同じ住宅で国の他の補助制度と重ねて受けることはできない一方、国費が入っていない自治体の補助金とは併用できるとされていました。住宅ローン減税の2026年の改正点は、2026年最新制度における住宅ローン控除の変更点で詳しく解説しています。
※参考:No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)(国税庁)
※参考:子育てエコホーム支援事業 対象要件の詳細(国土交通省)
神奈川で使える住宅ローン支援・補助金は県・市・利子補給の3系統
ここからは、神奈川県内で2026年度に実施されている制度を、県の制度、市の制度、利子補給の順に紹介します。金額や条件は各自治体の公式サイトに掲載されている内容です。
中小工務店が施工するZEHに最大100万円の神奈川県補助金
神奈川県は、県内の住宅でZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)を導入する場合に補助金を出しています。ZEHは、断熱性能を高めて使うエネルギーを減らし、太陽光発電などでエネルギーをつくることで、年間のエネルギー消費を差し引きゼロ以下にする住宅です。
令和8年度の補助額は1戸あたり50万円です。再生可能エネルギーを除いたエネルギー消費量の削減率が35%以上の場合は50万円が上乗せされ、最大100万円になります。対象はZEHで、Nearly ZEHとZEH Orientedは含まれません。また、中小企業に当たる住宅の施工業者が施工する場合に限られるため、建築を依頼する会社が条件に合うかも確認が要ります。
横浜市は住替えの断熱改修に最大150万円、川崎市はZEH+に40万円の市独自の補助
県内の市にも、地域ごとの目的に合わせた補助金があります。代表的な4市の制度は次のとおりです。
横浜市の「既存住宅断熱改修補助制度」は、今ある住宅を断熱性能の高い省エネ住宅へ改修する工事に補助を出します。子育て世代(令和8年4月1日時点で夫婦のいずれかが49歳以下、または平成20年4月2日以降に生まれた子がいる世帯)が、断熱改修した住宅へ住み替える場合は最大150万円です。住替え補助に当たらない定住世帯の補助は最大120万円です。住替えの補助は住宅全体を断熱改修する工事が対象で、中古住宅を買って改修する場合にも関わります。令和8年度の予約申請は令和8年11月30日までです。
川崎市の「太陽光発電設備等設置費補助金」では、ZEHとZEH Orientedが1戸あたり25万円、ZEH+が40万円の定額です。蓄電池は設置費用の2分の1(1kWhあたり10万円)で、上限は条件によって70万円または30万円です。受付は令和8年12月28日までです。
厚木市の「定住促進子育て世帯住宅取得支援事業補助金」は、世帯主か配偶者が50歳未満で中学生以下の子がいる世帯が市内に新築住宅を取得した場合が対象です。基本額は20万円で、要件に応じて10万円ずつ加算されるため、最大40万円まで受け取れます。登記の受付日の翌日から6か月以内の申請が必要です。
平塚市の「平塚市ゼロエネルギーハウス導入補助金」は、自ら住むZEHの新築・購入・改修に1件20万円を補助し、蓄電システムを同時に設置する場合は5万円を上乗せします。
伊勢原市の労働金庫の住宅ローン利子を5年間補給する勤労者向け制度
利子補給は、住宅ローンの利息の一部を自治体が負担する仕組みです。現金を一度に受け取る補助金と違い、毎年払う利息の負担が軽くなります。
伊勢原市の「勤労者住宅取得資金利子補給制度」は、市内に住み、事業所に勤める人が中央労働金庫の住宅ローンを使って住宅を取得する場合が対象です。借入額500万円までを対象に、年3%以内の利率で、5年間利子を補給します。補給額は、市が定める指定額と実際に払った利息のいずれか少ない方の50%です。
利子補給の制度があるかどうか、受付を続けているかどうかは市町村によって違うため、住む予定の市町村の窓口で確かめるのが早道です。
住宅ローン支援制度や補助金を受けるための性能・世帯・申請時期の3条件
補助金の多くは、住宅の性能、世帯の属性、申請の時期という3つの条件を満たして初めて受け取れます。どれか一つでも外れると対象にならないため、契約の前に確認しておきましょう。
省エネ基準を満たさない新築は住宅ローン減税の対象外
補助金だけでなく、国の住宅ローン減税も住宅の性能によって控除の対象になる借入額の上限(借入限度額)が変わります。国土交通省の資料では、2024年以降に入居する新築住宅のうち、省エネ基準に適合しない住宅は原則として住宅ローン減税の対象外です。2026年・2027年に新築住宅へ入居する場合の借入限度額は次のとおりです。
控除期間はいずれも13年で、控除率は0.7%です。省エネ基準適合住宅は、断熱等性能等級4以上かつ一次エネルギー消費量等級4以上の住宅を指します。平塚市のZEH補助金のように、性能を証明するBELS評価書の提出を求める制度もあります。
※参考:住宅ローン減税(令和8年度税制改正後)Q&A【2026年7月更新】(国土交通省)
年齢・子どもの有無・住み続ける年数という世帯の条件
子育て世帯の支援や定住の後押しを目的にした補助金は、申請する世帯の年齢や家族構成に条件があります。
- ・相模原市「子育て世帯等中古住宅購入・改修費補助事業」:夫婦ともに39歳以下、18歳以下の子がいる世帯、40歳未満の妊婦のいずれか
- ・横須賀市「子育てファミリー等応援住宅バンク補助金」:中学校3年生までの子がいる世帯(妊娠中を含む)、または夫婦ともに50歳未満の世帯(市内の持ち家に住んでいる世帯は対象外)
- ・厚木市「定住促進子育て世帯住宅取得支援事業補助金」:世帯主か配偶者が50歳未満で、中学生以下の子がいる世帯
あわせて、決められた年数以上住み続けることを条件にする制度もあります。相模原市は5年以上、厚木市は3年以上の居住が条件で、期間内に転出すると補助金の返還を求められることもあります。
※参考:子育て世帯等中古住宅購入・改修費補助事業(相模原市)
着工前や登記後6か月以内など制度ごとに決まった申請期限
補助金は、申請の時期を逃すと条件を満たしていても受け取れません。工事を始める前に届け出が要る制度と、取得したあとに一定期間内に申請する制度があります。
- ・相模原市:交付決定より前に売買契約や改修工事の契約を結ぶと対象外
- ・平塚市:工事に着手する前に事前着手届を出し、引き渡しの60日前(建売住宅は30日前)までに交付申請
- ・横須賀市:交付決定の前にリフォームに着手すると補助の対象外
- ・厚木市:登記の受付日の翌日から6か月以内に申請
契約や着工の日程を先に決めてしまうと、申請が間に合わないことがあります。補助金を使う予定があるなら、住宅会社や不動産会社に早めに伝えておくと日程を組みやすくなります。
住宅ローンと支援制度を両立させる物件探しと相談先の選び方
支援制度を取りこぼさないためには、制度の確認、物件探し、住宅ローンの手続きを別々に進めるのではなく、同時に進めることが近道です。
予算に達すると受付を終える先着枠と受付期間の早めの確認
自治体の補助金は年度ごとに予算が決まっており、予算に達すると受付期間の途中でも締め切られることがあります。横須賀市の住宅バンク補助金は先着20件、相模原市の補助事業も予算額を超えると判断した場合は受付を終えるとしています。
自治体の公式サイトで受付状況を確かめながら、事前審査や物件の申込みの時期を決めていくと安心です。
補助金の条件に合う物件探しとローン審査の同時進行
補助金には、対象地域、新築か中古か、住宅の性能といった物件側の条件があります。条件に合う物件を探しながら住宅ローンの事前審査も進めておくと、気に入った物件が見つかったときにすぐ申し込めます。物件探しには、センチュリー21 住宅ファクトリーの無料会員登録「CENTURY21 MEMBERS」で会員限定の物件情報を確認する方法もあります。
住宅金融支援機構の「フラット35(地域連携型)」は、住宅金融支援機構と連携している自治体から補助金などの支援を受ける場合に、フラット35の借入金利を当初5年間引き下げる制度です。子育て支援と空き家対策は年0.5%、地域活性化は年0.25%の引下げです。横須賀市の住宅バンク補助金でも、このフラット35の金利引下げが案内されています。
フラット35そのものの審査の考え方は、フラット35の審査基準と落ちる理由・対処法でまとめています。
ローン審査から物件探し、お引渡しまで一つの窓口で進められる相談先
補助金の申請には、性能を証明する評価書、金融機関の手続き、自治体への事前の届け出など、いくつもの書類と期限が関わります。不動産の取引と住宅ローンの両方を相談できる窓口があれば、物件の条件と申請の日程を一緒に確認しながら進められます。
センチュリー21 住宅ファクトリーは、神奈川県・東京都・千葉県・埼玉県の1都3県で、住宅ローンのご相談から審査、物件のご紹介、お引渡しまでを同じ窓口でお手伝いしています。横浜本社のほか、東京オフィス、千葉住宅ローン相談センター、大宮住宅ローン相談センターの4拠点があり、ご相談は電話・メール・LINEのいずれからでも何度でも無料です。神奈川で住宅ローンの審査に不安がある場合の考え方は、神奈川で住宅ローン審査に通らない人の最終手段でも紹介しています。
神奈川で補助金を使った住宅購入を考えている場合は、センチュリー21 住宅ファクトリーへご相談ください。
神奈川の住宅ローン支援制度に関するよくある質問
住宅ローン控除と自治体の補助金は併用できますか?
住宅ローン控除と自治体の補助金は併用できます。ただし、控除の計算では、受け取った補助金の額を住宅の取得対価から差し引きます。3,000万円の住宅で100万円の補助金を受けた場合は、2,900万円をもとに計算します。補助金を受ける予定がある場合は、確定申告の前に交付額を確認しておくと手続きが滞りません。
※参考:No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)(国税庁)
中古物件の購入でも利用できる支援制度はありますか?
神奈川県内には、中古住宅の購入や改修を対象にした支援制度があります。相模原市の「子育て世帯等中古住宅購入・改修費補助事業」は、購入費用に基本50万円を補助し、市外からの転入や親世帯との同居などの加算を合わせると最大100万円になります。交付決定より前に売買契約を結ぶと対象外になる点に注意が必要です。横須賀市の「子育てファミリー等応援住宅バンク補助金」は、市の「子育てファミリー等応援住宅バンク」に掲載された物件の購入に最大35万円、市内の事業者が行うリフォーム・解体に最大15万円、合わせて最大50万円です。横浜市の既存住宅断熱改修補助制度も、中古住宅を買って断熱改修する場合に使えます。
※参考:子育て世帯等中古住宅購入・改修費補助事業(相模原市)
既存の借入があっても住宅ローンや支援制度は利用できますか?
マイカーローンやリボ払いなどの借入があっても、住宅ローンを組んで支援制度を使うことは可能です。審査では、住宅ローンとほかの借入を合わせた年間返済額が年収に占める割合(返済負担率)が見られるため、借入の組み方によって結果が変わります。返済負担率の目安は住宅ローンは年収の何倍が目安かと返済負担率で、借入がある場合の考え方は借金があっても住宅ローンは組めるかで解説しています。
センチュリー21 住宅ファクトリーでは、消費者金融・カードローン・マイカーローン・リボ払い・奨学金などのお借入を、最大500万円まで住宅ローンと1本化するご相談を受け付けています。返済先をまとめることで毎月の返済額を見直し、住宅購入と支援制度の活用を両立させる方法を一緒に考えます。実際にご相談いただいた方の感想はお客様の声で、補助金や税金についての疑問はよくあるご質問でもご覧いただけます。
お借入があって住宅ローンの審査に不安がある場合も、センチュリー21 住宅ファクトリーの無料相談をご利用ください。



