東京都内で今の住まいを売って新しい住まいに移る住み替えでは、売る家と買う家の両方の価格、今の住宅ローンの残高、新しく組む住宅ローン、そして売ったときの税金が一度に関わります。どれか一つだけを見て進めると、あとから資金が足りない、思っていた控除が使えないといったずれにつながります。
特に東京都は、23区と多摩地域で物件価格が大きく違います。どこからどこへ住み替えるかによって、手元に残るお金も新しく借りる額も変わるため、価格の水準と税金の仕組みを先に押さえておくことが、資金計画づくりの出発点です。
本記事では、次の内容を整理します。
- ・23区と多摩地域の成約価格の違い
- ・売り先行と買い先行で変わる資金の流れ
- ・売ったときの3,000万円特別控除と住宅ローン控除の関係
- ・中古住宅に住み替える場合の住宅ローン控除の借入限度額
- ・東京で住み替えを相談できる窓口
免責事項:本記事で紹介する価格や税制の内容は、2026年10月時点で公表されている資料をもとにした一般的な説明です。実際の税額や特例の適用の可否は、個別の状況によって異なります。具体的な判断は税務署や税理士にご確認ください。
東京の住み替えは中古マンションで23区が多摩地域の約2倍という価格差が前提
東日本不動産流通機構(レインズ)の2025年の集計では、東京都の成約価格の平均は次のとおりで、23区と多摩地域で大きな差があります。
中古マンションでは、都区部の平均が多摩地域の約2倍です。同じレインズの集計では、都区部の中古マンションの平均成約価格は前年比11.2%の上昇でした。一方、多摩地域の中古マンションの平均成約価格は前年比1.5%の下落で、同じ東京都内でも値動きの向きが分かれています。今の住まいが都区部にあるか多摩地域にあるか、移り先がどちらかによって、売って得られる金額と新しい住まいに必要な金額の差が大きく変わります。
たとえば都区部のマンションを売って多摩地域の戸建住宅に移る場合は、売却額で新しい住まいの多くをまかなえる可能性があります。反対に多摩地域から都区部へ移る場合は、新たに借りる額が大きくなりやすく、住宅ローンの審査も含めた計画が必要です。
※参考:首都圏不動産流通市場の動向(2025年)(公益財団法人東日本不動産流通機構)
売り先行は資金が読みやすく、買い先行は新居を選びやすい住み替えの順番
住み替えの進め方は、今の住まいを先に売る「売り先行」と、新しい住まいを先に買う「買い先行」の大きく2つに分かれます。どちらにも向き・不向きがあり、どちらが正解ということはありません。
今の住まいの売却額が決まってから、新しい住まいを買います。
使えるお金が確定してから物件を選べる一方、引渡しの時期によっては仮住まいが必要になります。
新しい住まいを先に決め、そのあとで今の住まいを売ります。
希望の物件を待たずに押さえられる一方、売れるまでの間は今の住宅ローンと新しい住宅ローンの両方の支払いが重なることがあります。
東京都区部の中古マンションのように前年から1割以上価格が動く地域では、売却額の見込みが資金計画を大きく左右します。売り先行なら売却額を確かめてから買えるため、資金の読み違いを抑えられます。買い先行を選ぶ場合は、両方の支払いが重なる期間をどうまかなうかを先に決めておくことが大切です。住み替えで使えるローンの種類や、つなぎ融資の仕組みは、今の家から新居への住み替えの注意点、住宅ローンが残っている場合の資金計画を解説で詳しく取り上げています。
今の住宅ローンの残高と売却見込額の差で決まる、住み替えに使えるお金
今の住まいに住宅ローンが残っている場合、売却額でその残高を返し切れるかどうかが最初の分かれ目です。売却額が残高を上回れば、差額を新しい住まいの資金に回せます。下回る場合は、足りない分を自己資金で補うか、新しい住宅ローンにまとめる方法を考える必要があります。
まずは今の住宅ローンの残高を返済予定表で確かめ、今の住まいがいくらで売れそうかの見込みを不動産会社に出してもらいましょう。この2つの数字がそろうと、住み替えに使えるお金のおおよその額が分かります。住宅ローンが残っている家の売却の流れは、住宅ローン返済中の家は売却可能!アンダー・オーバーローン別の手順と注意点を解説でまとめています。
フラット35では今の住宅ローンの返済も含めて計算される買い先行の返済負担率
買い先行で今の住まいを売る前に新しい住宅ローンを申し込む場合、フラット35では今の住宅ローンの返済も計算に入ります。総返済負担率の計算には、フラット35以外の住宅ローンの返済も含まれるため、今の住宅ローンと新しい住宅ローンを合わせた返済が、年収400万円未満なら30%以下、400万円以上なら35%以下に収まっている必要があります。
また、住み替えを考える年代では、借入の年齢の条件も関わります。国土交通省が2026年3月に公表した民間住宅ローンの実態調査では、98.4%の金融機関が完済時年齢を審査項目にしており、具体的な基準は「80歳未満」が716機関で最も多くなっています。40代・50代で新しく住宅ローンを組む場合は、返済期間を何年にできるかもあわせて確かめておきましょう。東京で借りられる額の目安は、東京の住宅ローンはいくら借りられる?年収別の借入目安と審査基準を解説で、返済負担率の考え方は住宅ローンは年収の何倍が目安?返済負担率についても解説で確認できます。
※参考:令和7年度 民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書(国土交通省)
売ったときの3,000万円特別控除と新居の住宅ローン控除は時期が重なると併用不可
住み替えで見落としやすいのが税金です。今の住まいを売って利益が出た場合には、譲渡所得として税金がかかります。一方、新しい住まいを住宅ローンで買う場合には、住宅ローン控除を受けられる可能性があります。3,000万円特別控除と住宅ローン控除は、同時に使えない場合があります。
住まなくなってから3年を経過する日の属する年の年末までの売却が条件となる3,000万円特別控除
国税庁によると、自分が住んでいる家を売ったときは、所有期間の長短に関係なく、譲渡所得から3,000万円を上限に控除できる特例があります。主な条件には次のようなものがあります。
- ・以前に住んでいた家を売る場合は、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること
- ・親子や夫婦など、特別の関係がある人に売ったものではないこと
- ・売った年の前年・前々年に、この特例などの適用を受けていないこと
売り先行で先に引っ越して仮住まいをする場合や、買い先行で新しい住まいに移ってから売る場合でも、この期限の内に売れば、期限の条件は満たせます。ほかの条件もあるため、売る前に国税庁の案内で確かめておきましょう。売却まで時間がかかりそうなときは、期限から逆算して売り出しの時期を決めておくと安心です。
新居に入居した年の前後に特例を使うと受けられない住宅ローン控除
国税庁は、新しい住まいに入居した年、その前年または前々年に、マイホームを売ったときの特例の適用を受けた場合は、住宅ローン控除を受けられないとしています。入居した年の翌年から3年目までのいずれかの年に、住宅ローン控除の対象となる住まい以外を売って特例の適用を受ける場合も同じです。
つまり住み替えでは、売った家で3,000万円特別控除を使うか、新しい家で住宅ローン控除を使うかを比べて選ぶ場面が出てきます。売却で大きな利益が出る場合は特別控除のほうが有利になることもあれば、利益が小さく借入額が大きい場合は住宅ローン控除のほうが有利になることもあります。どちらが得かは売却益と借入額によって変わるため、税務署や税理士に試算してもらったうえで決めると安心です。2026年の住宅ローン控除の改正点は、2026年最新制度における住宅ローン控除の変更点と知るべき要件を解説で取り上げています。
※参考:No.3302 マイホームを売ったときの特例(国税庁)
中古住宅の住宅ローン控除は省エネ性能で借入限度額2,000万〜4,500万円
東京都内で中古住宅に住み替える場合、住宅ローン控除の対象になる借入額の上限(借入限度額)は、住宅の省エネ性能によって変わります。国土交通省の資料では、既存住宅(買取再販住宅を除く)を取得した場合の借入限度額は次のとおりです。
控除率は控除期間を通じて0.7%です。省エネ基準適合住宅として控除を受けるには、確定申告で性能を証明する書類を出す必要があり、書類をそろえられない場合は「その他の住宅」の区分で考えることになります。その場合の借入限度額は2,000万円、控除期間は10年です。不動産会社が買い取って改修した買取再販住宅は別の区分で、長期優良住宅・低炭素住宅なら借入限度額4,500万円(子育て世帯・若者夫婦世帯は5,000万円)です。物件価格が高い都区部では借入額が限度額を超える場合もあるため、住み替え先の物件の性能と区分を確かめてから選ぶと、受けられる控除の見通しが立ちます。また、1981年12月31日以前に建てられた住宅は、耐震基準を満たしていることを証明する書類が必要です。
※参考:住宅ローン減税(令和8年度税制改正後)Q&A【2026年7月更新】(国土交通省)
売却と購入、住宅ローンを丸の内の東京オフィスで一緒に組み立てる住み替えの相談
住み替えでは、売却の見込額、今の住宅ローンの残高、新しい住宅ローンの審査、税金の特例の選び方がすべてつながっています。売却と購入を別々の会社に頼むと、それぞれの日程や金額を自分で突き合わせることになり、手間が増えがちです。
センチュリー21 住宅ファクトリーは、不動産の売却・買い替えのご相談と、住宅ローンのご相談の両方を受け付けています。住み替えの場合は、今の住宅ローンの借り換えなども含めたご提案が可能です。東京オフィスは千代田区丸の内1-8-2の鉄鋼ビルディング4階にあり、営業時間は10時から18時(土・日曜定休)です。横浜本社、千葉住宅ローン相談センター、大宮住宅ローン相談センターと合わせて1都3県に対応しています。
今の住まいの売却については、売却・買い替え相談のページから物件の種類や所在地、売却を考えている時期などを入力して査定を申し込めます。新しい住まいの住宅ローンについては、ほかのお借入がある場合の返済計画も含めて、一緒に組み立てます。
東京で住み替えを考え始めたら、売却と住宅ローンをまとめてセンチュリー21 住宅ファクトリーにご相談ください。
東京で住み替えと住宅ローンを考える方からのよくある質問
住み替えでは売り先行と買い先行のどちらを選べばよいですか?
売り先行と買い先行は、人によって向き不向きが分かれる進め方です。売却額を確かめてから買いたい方には売り先行、希望する物件を逃したくない方には買い先行が向いています。今の住宅ローンの残高や手元の資金、新しい住まいの探し方によって合う進め方が変わるため、両方の資金の流れを試算してから決めるのがおすすめです。
今の家を売って利益が出なかった場合も特例は関係ありますか?
売って利益が出なかった場合は、3,000万円特別控除を使う場面がないため、新しい住まいで住宅ローン控除を受けられるかを確かめることになります。ただし、売却で損失が出た場合の扱いには別の特例があり、条件によって使えるものが変わります。売却の結果が見えてきた段階で、税務署や税理士に確かめると判断がぶれません。
住み替えのときにほかの借入があっても新しい住宅ローンは組めますか?
ほかの借入があっても、新しい住宅ローンを組める場合があります。フラット35の審査では、新しい住宅ローンとほかの借入を合わせた総返済負担率が基準内に収まるかが見られます。センチュリー21 住宅ファクトリーでは、カードローンやマイカーローンなどのお借入を最大500万円まで住宅ローンと1本化するご相談も受け付けています。売却や相続、離婚にともなう売却など、住まいの売却に関する疑問はよくあるご質問にもまとめており、ご相談いただいた方の感想はお客様の声でご覧いただけます。
売る家と買う家の両方の数字をそろえるところから、一緒に始めましょう。



