住宅ローン申込者の返済能力を確認するために、金融機関は他のローンの借り入れ状況をチェックします。

自動車ローンやカードローンなど他のローン返済額が多い方は、住宅ローンの審査に通らない可能性があります。

では、借金がどれくらいあると住宅ローンの審査に影響してくるのでしょうか。

また、審査に通りやすくするためにできる対策はあるのでしょうか。

今回は、住宅ローンと他の借り入れとの関係について解説します。

借金があっても住宅ローンの審査は通るのか?

住宅ローン以外に借り入れがある方でも、多額の融資を受けてマイホームを購入されたケースは、たくさんあります。

借金があるからといって、住宅ローンを利用できないわけではないのです。

ただし、借金の額や借り入れ内容によっては、審査に通らないこともあります。

たとえば、住宅ローン以外の返済額が給与の3分の1を占め、さらに住宅ローンの返済で3分の1を支払うといった人の場合、残り3分の1で生活できるのかと金融機関は疑問視するでしょう。

また、消費者金融の利用や使途不明のキャッシングが多い人も、計画的な返済プランを立てられるのかという点で、審査に影響を及ぼします。

このように、「借金がいくら残っているのか」「毎月の返済額はいくらか」「どこで借り入れているのか」といった点も金融機関はチェックした上で、総合的に判断されるのです。

返済負担率がポイントに

では、借金がどれくらいあると住宅ローンの審査に影響が出てくるのでしょうか。

それを示す基準として、金融機関では「返済負担率(返済比率)」を重視しています。

返済負担率とは、年収に対する年間のローン返済額の割合を示したものです。

この返済負担率には、住宅ローンの返済額だけでなく、他のローン返済額も含めて計算されます。

一例として、自動車ローンと住宅ローンを返済している以下のケースで、返済負担率を求めてみます。

・年収:500万円

・自動車ローンの返済額:30万円(年間)

・住宅ローン:120万円(年間)

返済負担率:(30万円+120万円)÷500万円=30%

この場合の返済負担率は、30%になります。

返済負担率は金融機関ごとに異なりますが、おおむね30~35%に設定しているところが多いようです。

この数値を超えると、「返済が滞る可能性が高い」とみなされ、審査に影響を与えます。

なお、無理のない返済計画を立てるには「返済負担率は25%以内にする」のが良いといわれます。

上記のケースでいえば、年収500万円の人の年間返済額は125万円までとなり、自動車ローンの返済額を差し引いた95万円が、住宅ローンの年間返済額となります。

借金が多い人ができる住宅ローン審査対策

上記のケースで自動車ローンがなければ、年間125万円の返済分の住宅ローンを借り入れできたことになります。

つまり、借金の多い人は借り入れできる住宅ローンの融資額が減ってしまい、「借入希望額では審査に通りづらくなる」ということになるのです。

このことから、住宅ローンの審査に通りやすくするための対策法を考えてみましょう。

借金を減らす

借金を減らすことで、住宅ローンの借入可能額を増やせますから、審査に通りやすくなります。

できれば、他のローンを完済した後に住宅ローンを申し込みましょう。

すべて完済するのが難しい場合、毎月の返済額が大きいものや金利の高いローンを優先して完済させると効果的です。

また、住宅ローンが実行されるまでは新たな借り入れをしないことも大切です。

クレジット決済や分割払いではなく「現金一括払いにする」といった、借金を増やさないように工夫しましょう。

頭金を増やす

借入希望額では審査に通らない可能性がある方は、希望額を減らすことも検討しましょう。

具体的には、頭金(自己資金)を増やせば、借入額を減らせます。

借入額を減らせば、金利負担も抑えられトータルの返済額も少なくなります。

自己資金で賄えない場合は、親に支援してもらえないか話し合ってみましょう。

返済期間を延ばす

返済期間を延ばすことができれば、毎月の返済額を抑えられ、返済負担率も下げられます。

ただ、返済期間が長くなると金利負担が増えてトータルの返済額が多くなってしまうのが注意点です。

家の購入時期を見直す

家の購入時期を延ばせる方であれば、手元の借金を返済した後で、改めてマイホーム購入を検討するのも一手です。

新たな借金を作らず、貯蓄に回して頭金を増やすことで、無理のない資金計画を立てやすくなります。

住宅ローン申込時に借金を隠すのはNG

住宅ローンの申込時に、借金のある方は借入先や借金額などを申告する必要があります。

その際に、借金を申告しなかったり実際の残債よりも少なく申告したりすると「虚偽の申告」とみなされ、申し込み自体が破棄される可能性がありますので、正直に申告することが大切です。

金融機関では、信用情報機関にも申込者の情報を照会し、借入先や借入額、残債、滞納履歴といった情報を細かくチェックしています。

借金があることを隠しても金融機関には通用しませんので、住宅ローンの申込書には正確な情報を記載しましょう。

滞納履歴があると審査に通りにくくなる

金融機関では、申込者の信用情報を過去数年分までさかのぼって調べています。

その中に「滞納履歴」がある方は、審査に大きく影響しますので注意が必要です。

とくに、延滞を繰り返したり長期間滞納したりした経験のある方は、「この人に融資すると踏み倒される可能性が高い」と金融機関はみなし、審査に通らない可能性が極めて高いです。

このような情報を「異動情報」と呼び、住宅ローンに限らず他のローンの審査にも影響します。

なお、金融機関が調べるのは過去数年分です。

それよりも前に滞納をしていた場合は、異動情報が消えていますので、審査に影響することはありません。

逆にいえば、直近で延滞を繰り返していた方は、異動情報が消えるまで待ってから申し込んだ方が良いといえます。

税金を滞納している人は住宅ローンを利用できない

信用情報機関が所持する個人の信用情報は、その機関に加盟している銀行やクレジットカード会社などの情報のみです。

この中には、税金の滞納履歴はありません。

「税金の滞納なら隠せるのでは?」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、納税証明書の提出を求められる場合もありますし、健康保険証からわかるケースもあります。

しかも、税金を滞納している人は住宅ローンの審査に通りません。

納税は国民の義務ですから、住宅ローンなどの返済よりも優先されます。

仮に、契約者が税金も住宅ローンも滞納して不動産などの財産が差し押さえられた場合、優先的に払わなければならないのは税金の方ですから、金融機関から見れば貸し倒れのリスクが高いということになります。

もし未納の税金がある場合は、すべて納めたうえで住宅ローンを申し込みましょう。

住宅ローン審査で家族に借金がばれることはある?

借金の存在を、家族に内緒にしている方もいらっしゃるでしょう。

その方が住宅ローンに申し込み、審査結果の通知などで「借金が家族にばれてしまうのでは?」と不安に思っている方がいらっしゃるかもしれません。

ただ、金融機関からの通知には、審査に通っても通らなくても、その理由を伝えることはありません。

それに、借金も個人情報の一つです。

たとえ家族であっても、情報が漏れないように金融機関は配慮してくれます。

むしろ注意しなければならないのが、申込書に借入先や借入額などを記載するときです。

申込者が自分一人なら、家族のいないところで記載すれば問題ないでしょう。

しかし、ペアローンや連帯債務タイプのように二人で申し込む住宅ローンを契約するケースでは、内緒にしていた借金が相手に知られる可能性があります。

この場合、銀行の窓口に行く日を分けるなど、秘密がばれないように工夫する必要があります。

住宅ファクトリーなら複数のローンをまとめることも可能

センチュリー21住宅ファクトリーでは、住宅ローン以外にも借入先が複数ある方を対象に、その借金を住宅ローンに一本化する「おまとめローン」をご提案しています。

おまとめローンとは、自動車ローンやカードローンなどをまとめて、低金利のローンに借り換えられる商品のことです。

当社であれば、低金利の住宅ローンに一本化できますから、ほかのローンの金利負担を減らせ、返済額を抑えられる可能性があります。

実際に当社でご利用になられた方には、カードローンやキャッシングなど5社からトータルで400万円以上の借り入れがあった方が、約4,500万円の住宅ローンを受けられたケースもあります。

住宅ローン以外の返済額も、おまとめローンで金利負担が圧縮でき、家計にゆとりが生じた人も多いです。

センチュリー21住宅ファクトリーは、各金融機関と独自のパイプがあり、これまでに多くの住宅ローン審査通過実績を積んでまいりました。

お客様に適切な住宅ローンの紹介を通じて「家計にやさしい家探し」をご提案いたしますので、お気軽にご相談ください。

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まとめ

他のローン商品を利用されている方でも、住宅ローンを利用して理想のマイホームを手に入れることは可能です。

ただし、借入額が多い方は住宅ローンの借入可能額が少なくなるため、希望額では審査に通らない可能性があります。

借金を減らしてから申し込んだ方が、借入可能額を増やせ、物件の選択肢を広げられますので、優先順位をつけて返済を進めましょう。

「ほかのローン返済が難しい」という方は、当社が提案する「おまとめローン」を利用することで、家計の負担を軽減できるかもしれません。

さまざまな対策や方法を使い、住宅ローンの審査に臨みましょう。

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